
これほどポップで、これほどアホで、これほどキュートで、これほどビザールで、これほどシアワセな映画が古今東西、存在しただろうか?……いやマジで。
「カルト」という言葉が乱れ飛び、刹那的にイカレたミッドナイト・ムーヴィが覇を競った80年代。今観りゃ正直退屈なものも多いけれどコレだけは別!世代を超えて、今も観客の脳髄を夜な夜なお祭り状態へと煽りたてる、いわば“もうひとつの『ロッキー・ホラー・ショー』(1975年)”なのだ。
論理無用の奇想と唖然呆然のスピード感、いっけんチープな書割りセットにアーティスティックなアニメまで駆使して、誰が見たってどうかしている“六次元の世界”を創造しきったのは、LA生まれフランス帰りのマルチな才人リチャード・エルフマン。音楽&熱狂のパフォーマンスは弟ダニー・エルフマンと、彼の率いるカルト・バンド「オインゴ・ボインゴ」。今や映画音楽界の第一人者であるダニーにとってはこれが映画初仕事だが、懐メロソングの自由自在な引用も交え、一瞬のダレ場もなく計算しつくしたサウンドトラックは圧巻というほかない。
メイン・キャストも多士済々奇々怪々。伝説の小人俳優エルヴェ・ヴィルシェーズに実力派女優スーザン・ティレル。後に自身もカルト監督となるトシロー・バローニーことマシュー・ブライト。プロダクション・デザイナーも兼任するキュートなフランス娘マリー=パスカル・エルフマン。そしてウォーホル・スーパースターのひとりヴィーヴァ……等々、ジャンルを越えた奇人才人が大集合だ。
あまりのナンセンスに怒りだす人がいるかも知れない。でも、ツボに入れば2度3度、いや100回200回見返さずにはいられない最強/最凶の中毒性。これはまさにカルトの中のカルト、あまりにもオリジナルなハチャメチャSFミュージカル・エンタテインメント。知性と痴性がせめぎあう“禁断の世界”が、ついに<リミテッド・フォー・レイト・ナイト>として本格再上陸!