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「レイトショー」はミッドナイト・シネマとしてアメリカで生まれ、いわゆる一般「映画」とはひと味もふた味も違った面白さを持つ個性的な作品を楽しめる場として60年代以降、ニューヨークを中心に独自の映像文化を形成した。そこでは魅力的な音楽やファッションなど時代の要素を取り込んでポップカルチャーを刺激しつづけた。 |
1976年、米レイトショー・シーンにとっての重要な事件が起こった。前年にメジャー配給されたが失敗、お蔵入りになったはずの『ロッキー・ホラー・ショー』(1975年)が、レイトショーで"カルトピクチャー"として再生、圧倒的な人気を獲得した。なんと観客が登場人物の衣装を着て上映に出かけるなど、前例のない観客参加型エンターテイメントの走りとなったのだ。 一方、日本では1981年に、六本木にあった夜十時から始まる劇場、俳優座シネマテンでレイトショーが始まるが、認知までは少しの時間がかかった。しかし、1985年の吉祥寺バウスシアターで上映された『ストップ・メイキング・センス』(1984年)の大ヒットにより状況は一変する。ジョナサン・デミ監督(『羊たちの沈黙』(1990年))が撮ったロックバンド、トーキング・ヘッズのミュージック・ドキュメンタリーは照明を駆使した鋭い映像とストレートな演出で観客を魅了し、連夜満席という盛況ぶりでレイトショー・ブームに火がつくきっかけとなった。 |
初期のレイトショーには、音楽ファンがライブに行くように映画館に足を運ぶことによって、従来の「映画」の見方を超えた楽しみ方が発見されたのだ。1988年には、マーティン・スコセッシ監督によるザ・バンドのライブ・ドキュメンタリー『ラスト・ワルツ』(1978年)もヒットし、同時期に、シネマライズで『ロッキー・ホラー・ショー』がリバイバル上映され、連日200人を上回る観客動員を記録した。 |
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こうした音楽映画のテイストに惹かれた若者たちが、ひとつの流れを生み出していく。その動きは、音楽にとどまらずファッションにも波及し、その後のミニシアターブームに火を付ける。例えば、『さらば青春の光』(1979年)では、モッズやパンク・ファッションを加速させ、さらに、『ビートルズがやって来る/ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(1963年)で知られるリチャード・レスター監督の『ナック』(1965年)は、1991年に六本木シネヴィヴァンでアートや音楽のセンスで多くの観客を惹きつけた。そして1994年、俳優座シネマテンで公開されたラス・メイヤー監督の強い女性像を描いた痛快バイオレンス『ファスター・プッシーキャット キル!キル!』(1965年)はレイトショーに新たな風を吹き込んだ。 観客が参加でき、お互いに連帯感が持てるような作品とそれを提供するレイトショーという場は、それまでの80年代の興隆期にあったハリウッド映画にはない飛び抜けた魅力を放って、映画ファン以外の人々からも共感を呼び歓迎された。また、そうしたレイトショー作品の多くは、スタンダード作品として幾度もリバイバル上映され、ジェネレーションを越えて熱く支持されている。 |
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1980年に米国で初公開された本作『フォービデン・ゾーン』もそうしたレイトショーのスタンダードである。2004年、全米各所でレイトショー公開され大反響を呼んだばかり。リチャード・エルフマン監督や、音楽を担当し、今やハリウッドでは欠かせない作曲家となったダニー・エルフマンらの協力で、お祭り騒ぎのイベントは大盛況となった。 |
ジョン・ウォーターズ監督による驚愕のトラッシュムービー『ピンク・フラミンゴ』(1972年)やデヴィッド・リンチ監督の長編デビュー作『イレイザーヘッド』(1976年)のアングラ魂を多いに継承しつつ、『ロッキー・ホラー・ショー』のノリを受け継いだ異色作である。多くの若者たちが熱狂し、新たなファッションを生み出す原動力にもなった伝説的作品『フォービデン・ゾーン』が、ついに日本のレイトショー・シーンにやってきた。しかもエルフマン監督が日本のファンのためにメッセージを送ってくれた。「この作品は、レイトショー限定作品だ。自由で突き抜けた面白さを体で感じて欲しい。」・・・まさに、<リミテッド・フォー・レイト・ナイト>!!
この楽しい音楽と奇抜なヴィジュアルが合体した映画が、あなたのレイトショー熱に火を付けること願って。 |
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| 1976年 『ロッキー・ホラー・ショー』(1975年) 1979年 『さらば青春の光』(1979年) 1981年 『ブレイキング・グラス』(1980年) ロックスターの栄光と挫折、そしてロンドンの音楽業界を赤裸々に描いた作品。 1981年 『イレイザーヘッド』(1976年) 1983年 『ピンク・フロイド/ザ・ウォール』(1982年) “ピンク・フロイド”のアルバム「ザ・ウォール」を、アラン・パーカーが、音と映像の洪水で見事に映像化した。 1984年 『ジギー・スターダスト』(1973年) デヴィッド・ボウイの伝説的コンサート・ツアーからラストギグを収録したドキュメンタリー。 1984年 『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984年) 白髪の鬼才ジム・ジャームッシュの描く3人の男女のロードムービー。 1985年 『リキッド・スカイ』(1983年) NYが舞台の極めてビザールなSFカルトムービー。テクノ、パンク等音楽要素も満載。 1985年 『ストップ・メイキング・センス』(1984年) 1985年 『ファンタスティック・プラネット』(1973年) フランスのサイケデリックな異色SFアニメーション。 1986年 『スティング/ブルータートルの夢』(1985年) ポリス解散後のスティングによるアルバムのレコーディング過程やステージの姿を捉えた音楽ドキュメンタリー。 1986年 『ピンク・フラミンゴ』(1972年) 1987年 『フォービデン・ゾーン』(1980年) 1987年 『ジミ・ヘン&オーティス・ライブアットモンタレー』(1969年) ロックギターの神様ジミ・ヘンとソウルの神様オーティス・レディングの貴重なライブ映像。 1987年 『ジョーズ・バーバー・ショップ』(1982年) ニューヨークの床屋で起こる殺人事件。スパイク・リーの卒業制作作品。 1988年 『ラスト・ワルツ』(1978年) 1991年 『ナック』(1965年) 1992年 『マーラー』(1974年) 夢と現実、現在と過去が交差して織り成す作曲家マーラーの伝記映画は、ケン・ラッセルの傑作。 1994年 『ファスター・プッシーキャット キル!キル!』(1965年) 1996年 『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』(1993年) ティム・バートン製作・原案・キャラクター設定によるミュージカル・ファンタジー。 1999年 『地球に落ちて来た男』(1976年) ニコラス・ローグのスタイリッシュなSFドラマ。デヴィッド・ボウイがエイリアンをクールに熱演。 ※この年表にはリバイバル公開作品が含まれています。 |
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